野上恵嗣教授、荻原建一准教授、坂田飛鳥助教、矢追博章助教、
能村卓慈特任助教、小田朗永特任助教、下西成人講師、中島由翔助教、
大砂光正医員、川崎有輝大学院生、
笹井香那ラボテクニシャン、堀内薫ラボテクニシャン
我々のグループは、教室の主要テーマである先天性出血性疾患の診断・治療病態解明に関する研究を引き続き、血友病の分子病態、血液制御システムの解明および抗凝固・抗血栓療法の開発を中心に行っています。
血友病に関する研究では、分子生物学的解析、止血モニタリングの確立および新たな止血療法の開発などを精力的に行っています。
また血液制御システムに関しては、凝固第VIII因子や第V因子を介するトロンビンや活性型第X因子の凝固促進機構と、活性型プロテインC(APC)を介する凝固抑制機構に関する研究を行っています。
また最近では、血液凝固形成には内因系/外因系/APC凝固抑制系/線溶系の複数系が同時進行していく考えが主流になりつつあるため、第VIII因子と各系との関連に注目し、第VIII因子を中心とした凝固血栓形成やその抑制機序の解明を精力的に進めています。
さらに、止血メカニズムをcell-based modelとして、血小板、血管内皮および凝固をより包括的に解析し、血栓あるいは炎症に対する新しい治療strategyの開発にも挑戦しています。
また、血友病A患者のインヒビター産生機構の解明および免疫寛容誘導機序の解明先天性血友病Aは血液凝固第VIII因子(FVIII)の先天的な欠乏により、易出血性を来す疾患です。止血治療には不足するFVIII製剤を投与する補充治療が一般的に行われてきましたが、一部の患者ではFVIIIに対する同種抗体(インヒビター)が産生され、投与したFVIIIの働きが減弱もしくは消失します。
インヒビターの消失を目指した治療として、大量のFVIII製剤を長期間反復して投与することにより自らの免疫寛容を誘導する免疫寛容導入療法があり、その成功率は60-70%と報告されています。従って、インヒビターの発生をさせない治療方法および効果的に免疫寛容を誘導させる方法の開発が求められています。
我々は、患者あるいは血友病Aモデルマウスから得た免疫細胞を用いて、インヒビター産生および免疫寛容導入の機序を分子・細胞レベルで研究を行っています。