石川智朗講師、大前隆志特任助教、
濵野有里医員、髙田晃司医員(国内留学中)
奈良県立医科大学小児腎臓部門は、奈良県下の小児腎臓病患者の診療はもとより、大阪府東部や三重県西部の難治例にも対応してまいりました。これらのデータをもとに、ARPKDやAlport症候群のレジストリー・小児末期腎不全実態把握のための統計調査など、小児腎臓病に関連した臨床研究にも多数参加しております。
一方、当科で行う研究内容は、腎疾患における血液凝固病態の解明です。多くの腎疾患では、血液凝固障害から血栓症を合併することが知られていますが、その病態は明らかにはされておりません。当科血液凝固グループにおける最先端の知見や機器のバックアップを受け、小児の特発性ネフローゼ症候群やIgA腎症・紫斑病性腎炎を中心に臨床研究を行い、解析結果を報告してきました。現在は、当院腎臓内科と共同して、成人ネフローゼ症候群の血液凝固解析を行っております。その他、動物実験でも腎疾患における凝固異常を解明できないかと、研究を続けております。