野上恵嗣教授、
荻原建一准教授、
古川晶子助教、
中島由翔助教、下西成人講師、
大砂光正医員、嶋 緑倫医学部長
血栓・止血外来では血友病やvon Willebrand病などの先天性出血性疾患や、各種血栓性疾患を扱っています。その特色は以下のとおりです。
奈良医大小児科はこれまで半世紀にわたって血友病やその類縁疾患に対する診療や研究を行ってきました。1956年に初代小児科教授吉田邦男先生がわが国初の血友病B患者さんを、1958年には2代目教授福井弘先生が我が国初のvon Willebrand病患者さんを報告して以来、当教室のデータベースには2008年末現在で血友病A患者さんが613名、血友病B患者さんが101名、von Willbrand病患者さんが159名、その他の出血性疾患や先天性血栓性疾患の患者さんが118名登録されています。出血や血栓性疾患の診断や治療、セカンドオピニオン目的で全国各地の患者さんを受け入れているほか、奈良県内とその近隣から通院されている患者さんの急な出血には原則として24時間対応をしています。
血友病診療にとって欠かせないのが各科との連携ですが、小児科では整形外科、口腔外科と緊密に連携をとって包括的診療を行っています。基本的に0歳から80歳を越える患者さんまで小児科で対応していますが、内科的疾患、特に慢性C型肝炎などは消化器内科と、HIV感染症は感染制御内科と共同で診療にあたっています。また、血友病は遺伝性疾患であり、遺伝にかかわる相談は臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングが行われています。
奈良医大では血友病診療に重要な複数の診療科を一度に受診できる『血友病包括外来』を実施しています。
詳しくはポスター(PDF)をご覧ください。
次回開催日程は下記のとおりです。
ご予約・お問い合わせは小児科外来受付(0744-22-3051代表)まで。
血友病の治療薬は次々に新しいものが開発されていますが、奈良医大は国内外の臨床試験の拠点病院として、いち早く新薬に対する最新の情報を入手し、患者さんに還元しています。また、学会活動として日本血栓止血学会の学術標準化委員会血友病部会(部会長:嶋緑倫教授)に参加し、ガイドライン作成や臨床研究、患者会との懇談会などを行っています。さらに、日本小児血液学会血友病委員会(委員長:嶋緑倫教授)では全国レベルでの血友病診療ネットワークの整備を行っています。また、奈良県の血友病患者さんの会である「万葉友の会」とも連携をとりサポートを行っています。一方、奈良医大は世界血友病連盟(WFH)により国際トレーニングセンターに認定されており、中国や韓国、タイなどから医師や検査技師、訓練士の実習を受け入れています。この他、血友病インヒビターに対する免疫寛容療法の国際研究や、小児血友病の国際ネットワークなどに積極的に参加しています。
当院では、以下の臨床研究を実施しておりますのでお知らせいたします。
下記の概要についてご確認いただき、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、試料・情報を用いませんので、以下の「問合せ先」までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
下記の研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会(以下、「倫理審査委員会」と略します)で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。
①研究課題名 | 凝固波形解析を用いた凝固機能評価技術の確立 |
---|---|
②研究期間 | 学長許可日から2024年3月31日 |
③対象患者 | 対象期間中に当科で採血を受けられた血液凝固障害、血栓症およびその疑いのある患者さん |
④対象期間 | 2015年1月1日 から 2023年3月31日 |
⑤研究機関の名称 | 奈良県立医科大学小児科 |
⑥研究責任者 | 【氏名】野上恵嗣 【所属】奈良県立医科大学小児科 |
⑦使用する試料・情報等 | 一般臨床検査終了後の残余血液およびカルテ情報(採血日、疾患名、性別、年齢、治療薬・治療方法) |
⑧研究の概要 | 血液凝固異常の診断は欠乏する凝固因子の活性を検査することで行われますが、一部の施設に限られます。また、最近使用されるようになった新しい血友病の治療薬は、これまでの検査ではその効果をみることが難しいため、新しい検査法を開発してきました。この研究の目的は、新たな診断法の開発や、現在使用されている治療薬や現在開発中の新しい治療薬を使用した時の、薬の効果を試験管内で調べて、それぞれの治療薬に一番良い検査方法を見つけることです。 |
⑨倫理審査 | 【倫理審査委員会承認日】2021年8月26日 |
⑩研究計画書等 の閲覧等 |
研究計画書及び研究の方法に関する資料を他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で入手又は閲覧できます。詳細な方法に関しては以下⑬の問い合わせ先・相談窓口にご連絡ください。 |
⑪結果の公表 | 学会や論文等で公表します。個人が特定されることはありません。 |
⑫個人情報の 取扱い |
カルテIDや氏名などの個人情報を研究用IDに置きかえて使用するため、あなたの個人情報が外部へ漏れることはありません。カルテIDと研究IDの対応表は厳重に研究責任者において管理されます。 研究の成果は、学会や学術誌などで公表されますが、この場合も、個人が特定される情報が公開されることはありません。 匿名化された患者さんの病名、採血時の治療情報、検査結果は、 関連機関である積水メディカル株式会社に電子化されたデータファイルの形で提供されます。 |
⑬問い合わせ先 ・相談窓口 |
奈良県立医科大学附属病院 小児科学講座 荻原建一 血栓止血分子病態学講座 下西成人 【電話】0744-29-8881 【FAX】0744-24-9222 【Mail】pedlab@naramed-u.ac.jp |
⑭公開データ ベース |
該当なし |
⑮知的財産権 | 該当なし |
⑯研究の資金源 | この研究は、奈良県立医科大学小児科の研究費および積水メディカル株式会社から提供された研究費を用いて実施します。 |
⑰利益相反 | この研究は、奈良県立医科大学小児科の研究費および積水メディカル株式会社から提供された研究費を用いて実施します。本研究におい て生じる利益相反については、事前に本学の利益相反管理委員会に申告し、適切な実施体制であることの審査・承認を受けて実施します。 |
当科ではDIC患者様の血液に血友病治療薬であるエミシズマブ)を試験管内で加えることで、凝固線溶能にどのように影響するかを確認する研究を行っています。以前にご協力いただいた研究での余剰試料(のこった検体)を患者様の同意に基づいて当科では保存しており、それを用いて本研究を実施することを計画し本学の医の倫理審査委員会で承認を得ました。患者様のデータを用いて行いますが、患者様個人のお名前や、個人を特定できる情報は一切公表いたしません。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
研究課題名 | 「播種性血管内凝固(DIC)時における血友病A新規治療薬(エミシズマブ)の凝固線溶活性評価」 |
---|---|
研究目的 | 血友病Aの新規治療薬であるエミシズマブは皮下投与が可能な画期的な薬剤ですが、エミシズマブが投与されている患者様で、DICを発症したに際にどのように影響するかは明らかではありませんでした。凝固能を高める治療を受けている血友病患者さんがDICになったとき安全にDICの治療ができるかどうか、包括的凝固線溶解析手法を用いて検討するのが目的です。 |
研究概要 | DIC患者様からご提供いただいた血液にエミシズマブを試験管の中で混ぜてみて、凝固線溶能のバランスの是正を凝固線溶波形解析とトロンビン・プラスミン生成試験という検査法を用いて確認します。 |
対象となる 患者様 | ● 当院でDICまたはDIC疑いと診断された患者様。 ● 以前に「包括的凝固線溶ダイナミックス解析を基盤とする播種性血管内凝固(DIC)の新規診断法の確立に関する探索的研究」へ同意いただいた患者様(新たに血液をいただくのではなくて、保存試料を用います)。 |
研究期間 | 学長許可日から 2022年9月30日まで |
使用する試料 ・情報等 | 血液の残血漿と採血時の患者様の電子カルテ情報(いずれも匿名化して使用)。 |
研究責任者 | 氏名:大西智子 所属:奈良県立医科大学附属病院小児科 |
共同研究機関名 | 中外製薬株式会社 |
個人情報の 保護 |
個人情報保護の観点から、本研究では、登録された患者さんが誰であるかを特定することができないよう、患者様のお名前、自宅住所の詳細や電話番号などの詳細な情報は一切登録いたしません。本研究用の固有のコードを用いて匿名化を行います。 匿名化された患者様の病名、年齢などの電子カルテ情報や検査結果は、共同研究機関である中外製薬株式会社に電子化されたデータファイルの形で提供されます。 |
登録データを用いた 二次利用研究 | 本研究データを一次データとして利用し、さらに詳しく新たに情報を得てDIC治療や疾患のメカニズム解析に役立てようとする研究が企画される場合があります。その場合には、研究計画の科学性と倫理性について本学の医の倫理審査委員会で審査が行われ、承認を得た後、実施する場合があります。 この二次利用研究については、逐次当科のホームページ (https://ped.naramed-u.ac.jp/index.html)に掲載されます。 |
当院では、以下の臨床研究を実施しておりますのでお知らせいたします。
下記の概要についてご確認いただき、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、試料・情報を用いませんので、以下の「問合せ先」までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
下記の研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会(以下、「倫理審査委員会」と略します)で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。
①研究課題名 | 血友病A患者におけるインヒビター発現・消失メカニズムの解明に向けたヒト化免疫マウスを用いた探索的研究 |
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②研究期間 | 学長許可日から2021年12月31日 |
③対象患者 | 対象期間中に当科で採血を受けられた血友病Aおよびその疑いのある患者様 |
④対象期間 | 実施承認後から2021年6月30日 |
⑤研究機関の名称 | 奈良県立医科大学小児科 |
⑥研究責任者 | 【氏名】野上恵嗣 【所属】奈良県立医科大学小児科 |
⑦使用する試料・情報等 | 一般臨床検査終了後の残余血液およびカルテ情報(採血日、疾患名、性別、年齢、治療薬・治療方法) |
⑧研究の概要 | 血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが生じないように、あるいは消失させるために、新しい治療法の開発に向けた基礎研究を行っています。 |
⑨倫理審査 | 【倫理審査委員会承認日】2020年10月27日 |
⑩研究計画書等 の閲覧等 |
研究計画書及び研究の方法に関する資料を他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で入手又は閲覧できます。詳細な方法に関しては以下⑬の問い合わせ先・相談窓口にご連絡ください。 |
⑪結果の公表 | 学会や論文等で公表します。個人が特定されることはありません。 |
⑫個人情報の 取扱い |
カルテIDや氏名などの個人情報を研究用IDに置きかえて使用するため、あなたの個人情報が外部へ漏れることはありません。カルテIDと研究IDの対応表は厳重に研究責任者において管理されます。 研究の成果は、学会や学術誌などで公表されますが、この場合も、個人が特定される情報が公開されることはありません。 |
⑬問い合わせ先 ・相談窓口 |
奈良県立医科大学附属病院小児科学 野上恵嗣、武山雅博、荻原建一、矢田弘史、古川晶子 【電話】0744-29-8881 【FAX】0744-24-9222 【Mail】pediatrics@naramed-u.ac.jp |
⑭公開データ ベース |
該当なし |
⑮知的財産権 | 本研究により得られた結果やデータ、知的財産権は奈良県立医科大学に帰属いたします。 |
⑯研究の資金源 | 受託研究,H30-34,小児科学,Exploratory study to understand the mechanism of inhibitor and immune tolerance induction in hemophilia patients, バイオベラティブ株式会社(資金提供、情報提供のみ) |
⑰利益相反 | 本研究において生じる利益相反については、事前に本学の利益相反管理委員会に申告し、適切な実施体制であることの審査・承認を受けて実施いたします。 |
当院では、以下の臨床研究を実施しておりますのでお知らせいたします。
下記の概要についてご確認いただき、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、試料・情報を用いませんので、以下の「問合せ先」までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
下記の研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会(以下、「倫理審査委員会」と略します)で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。
①研究課題名 | 新型コロナウイルス感染症(COVID 19) 関連の血液凝固線溶動態の解明および治療戦略の検討 |
---|---|
②研究期間 | 学長許可日から2021年7月31日 |
③対象患者 | 対象期間中に 当院で採血、画像検査を受けられた新型コロナウイルス感染症患者さんとその疑い例の患者さん、および凝固線溶系に異常を認めない健常の患者さん |
④対象期間 | 2020年1月25日 から 2021年6月30日まで |
⑤研究機関の 名称 |
奈良県立医科大学 |
⑥研究責任者 | 【氏名】野上恵嗣 【所属】奈良県立医科大学小児科 |
⑦使用する試料 | 一般臨床検査終了後の残余血液および検査データ、カルテ情報(採血日、合併症、画像検査、性別、年齢、治療薬・治療方法、転帰) |
⑧研究の概要 | 新型コロナウイルス感染症では、血栓症を発症する患者さんの報告が多数されており、本研究では生体内での血液凝固・線溶のバランスをトータルに測定し、新型コロナウイルス感染症患者さんの血液凝固線溶機能の評価と、それをもとにした治療戦略の検討を行います。 |
⑨倫理審査 | 【倫理審査委員会承認日】2020年8月3日 |
⑩研究計画書等 の閲覧等 |
研究計画書及び研究の方法に関する資料を他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で入手又は閲覧できます。詳細な方法に関しては以下⑬の問い合わせ先・相談窓口にご連絡ください。 |
⑪結果の公表 | 学会や論文等で公表します。個人が特定されることはありません。 |
⑫個人情報の 取扱い |
カルテIDや氏名などの個人情報を研究用IDに置きかえて使用するため、あなたの個人情報が外部へ漏れることはありません。カルテIDと研究IDの対応表は厳重に研究責任者において管理されます。 研究の成果は、学会や学術誌などで公表されますが、この場合も、個人が特定される情報が公開されることはありません。 |
⑬問い合わせ先 ・相談窓口 |
奈良県立医科大学附属病院 小児科 野上恵嗣、武山雅博、荻原建一、矢田弘史、古川晶子 【電話】0744-29-8881 【FAX】0744-24-9222 【Mail】pediatrics@naramed-u.ac.jp |
⑭公開データ ベース |
該当なし |
⑮知的財産権 | 該当なし |
⑯研究の資金源 | この研究は、奈良県立医科大学小児科の研究費および積水メディカル株式会社から提供された研究費を用いて実施します。 |
⑰利益相反 | この研究は、奈良県立医科大学小児科の研究費および積水メディカル株式会社から提供された研究費を用いて実施します。本研究において 生じる利益相反については、事前に本学の利益相反管理委員会に申告し、適切な実施体制であることの審査・承認を受けて実施します。 |
当院では、以下の臨床研究を実施しておりますのでお知らせいたします。
下記の概要についてご確認いただき、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、試料・情報を用いませんので、以下の「問合せ先」までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
下記の研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会(以下、「倫理審査委員会」と略します)で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。
①研究課題名 | 血液凝固第VIII因子代替活性を有する抗体の後天性血友病Aにおける血液・血漿凝固機能に関する研究 |
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②研究期間 | 学長許可日(2018年5月21日)から 2020年12月31日 |
③対象患者 | 対象期間中に当院で後天性血友病Aの治療を受けられた患者さん |
④対象期間 | 2013年1月1日 から 2018年5月20日 |
⑤研究機関の 名称 |
奈良県立医科大学小児科 |
⑥研究責任者 | 【氏名】嶋 緑倫 【所属】奈良県立医科大学小児科 |
⑦使用する試料 ・情報等 | 一般臨床検査終了後に保管されている残余血液 |
⑧研究の概要 | 血友病Aの治療薬として血液凝固第VIII因子代替抗体製剤(ACE910, emicizumab)が開発され、日本でも現在使用することができるようになりました。後天性血友病Aに対しても、血液凝固第VIII因子代替抗体製剤は効果があると考えられていますが、適切な投与量などの規定がありません。そこで、患者さんの血液に本製剤を添加しいろいろな検査をすることで製剤の効果を調べます。 |
⑨倫理審査 | 【倫理審査委員会承認日】2018年5月21日 |
⑩研究計画書等 の閲覧等 |
研究計画書及び研究の方法に関する資料を他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で入手又は閲覧できます。 詳細な方法に関しては以下⑬の問い合わせ先・相談窓口にご連絡ください。 |
⑪結果の公表 | 学会や論文等で公表します。個人が特定されることはありません。 |
⑫個人情報の 取扱い |
カルテIDや氏名などの個人情報を研究用IDに置きかえて使用するため、あなたの個人情報が外部へ漏れることはありません。カルテIDと研究IDの対応表は厳重に研究責任者において管理されます。 研究の成果は、学会や学術誌などで公表されますが、この場合も、個人が特定される情報が公開されることはありません。 匿名化及び個体識別番号を除いた解析データのみの提供を、電子的配信あるいは紙媒体で中外製薬株式会社(海外関係会社(ロシュ社等)含む)に行う。 |
⑬問い合わせ先 ・相談窓口 |
奈良県立医科大学附属病院 小児科学 嶋 緑倫、野上恵嗣、武山雅博、荻原建一、矢田弘史、古川晶子 【電話】0744-29-8881 【FAX】0744-24-9222 【Mail】pediatrics@naramed-u.ac.jp |
⑭公開データ ベース |
該当なし |
⑮知的財産権 | 該当なし |
⑯研究の資金源 | 研究をするために必要な資金をスポンサー(製薬会社等)から提供してもらうことにより、その結果の判断に利害が発生し、結果の判断にひずみが起こりかねない状態を利益相反状態といいます。この研究は中外製薬株式会社との共同研究です。研究実施のために中外製薬株式会社から資金提供を受けていますが、奈良県立医科大学利益相反管理委員会に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。 |
⑰利益相反 | この研究は、中外製薬株式会社から共同研究資金、臨床研究(治験)、特許出願、顧問料、講演料を受けており、奈良県立医科大学利益相反管理委員会で審査され、適切に管理されています。 |
現在、当教室では「中等症・軽症血友病A患者におけるインヒビター発生メカニズムに関する基礎的研究」を行っております。中等症・軽症血友病Aにインヒビターが出現した場合、第VIII因子補充療法の止血効果は消失~激減します。この臨床研究の目的は、第VIII因子のインヒビターについて、第VIII因子補充療法を無効にさせる原因を詳細に解析することです。今後、臨床応用されると血友病Aインヒビター患者さんの治療が大きく進歩することになります。この研究は患者様のデータを用いて行いますが、患者様個人のお名前や、個人を特定できる情報は一切公表いたしません。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。なお、本研究は奈良県立医科大学の医の倫理審査委員会で審査を受け、奈良県立医科大学学長の許可を得ております。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
研究課題名 | 中等症・軽症血友病A患者におけるインヒビター発生メカニズムに関する基礎的研究 |
---|---|
研究機関の 名称 | 奈良県立医科大学小児科 |
研究目的・ | 中等症・軽症血友病Aにインヒビターが出現した場合、第VIII因子補充療法の止血効果は消失~激減します。この臨床研究の目的は、第VIII因子のインヒビターについて、第VIII因子補充療法を無効にさせる原因を詳細に解析することです。この研究で得られた結果は、インヒビター保有血友病A患者様に対して有効な治療法の開発や、インヒビターの発生自体を抑制する方法の確立に役立つと考えられます。 |
研究方法 | 該当する患者様の臨床的情報(年齢、第VIII因子活性値、凝固因子製剤の使用歴、インヒビター発生時の状況、インヒビター発生後の症状および治療など)と当科で実施した凝固検査測定結果、インヒビター解析結果、第VIII因子遺伝子解析結果を収集します。これまでの経過などは診療録(カルテ)から抽出し、個人が特定されないように匿名化します。測定・解析データは、奈良県立医科大学にて匿名化を行います。研究結果は、研究責任者あるいは共同研究者が、しかるべき国際論文および学会発表など複数の方法を用いて、広く国民に情報を提供します。 |
対象となる 患者様 |
2021年3月31日までに当科に受診歴のある、または当科へ検査を依頼されたインヒビター保有中等症・軽症血友病A患者様 |
研究期間 | 倫理委員会の承認日から2021年3月31日まで |
当科ではDIC患者様の血液にDIC治療薬である遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤(商品名:リコモデュリン)を試験管内で加えることで、凝固線溶のアンバランスがどの程度改善するのかどうかを確認する研究を行っています。以前にご協力いただいた研究での余剰試料(のこった検体)を患者様の同意に基づいて当科では保存しており、それを用いて本研究を実施することを計画し本学の医の倫理審査委員会で承認を得ました。患者様のデータを用いて行いますが、患者様個人のお名前や、個人を特定できる情報は一切公表いたしません。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
研究課題名 | 「包括的凝固線溶ダイナミックス解析を基盤とする播種性血管内凝固(DIC)に対する基礎疾患に応じた遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤のテーラーメード治療の確立に関する探索的研究」 |
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研究目的 | DIC治療薬である遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤の投与量は一律であり、全てのDIC患者様の凝固線溶のバランスの崩れを本当に改善できているのかどうかについては今まで調べられませんでした。それぞれのDIC患者様の凝固線溶のバランスを評価し、その患者様に合わせた治療量最適化が可能かを検証するのが目的です。 |
研究概要 | DIC患者様からご提供いただいた血液に遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤を試験管の中で混ぜてみて、凝固線溶能のバランスの是正を凝固線溶波形解析とトロンビン・プラスミン生成試験という検査法を用いて確認します。バランスの是正の程度から現在の一律の治療量が本当に最適か否かを調べます。 |
個人情報の 保護 |
個人情報保護の観点から、本研究では、登録された患者さんが誰であるかを特定することができないよう、患者様のお名前、自宅住所の詳細や電話番号などの詳細な情報は一切登録いたしません。本研究用の固有のコードを用います。 |
対象となる 患者様 | ●当院でDICまたはDIC疑いと診断された患者様。 ●以前に「包括的凝固線溶ダイナミックス解析を基盤とする播種性血管内凝固(DIC)の新規診断法の確立に関する探索的研究」へ同意いただいた患者様(新たに血液をいただくのではなくて、保存試料を用います)。 |
登録データを用いた 二次利用研究 | 本研究データを一次データとして利用し、さらに詳しく新たに情報を得てDIC治療や疾患のメカニズム解析に役立てようとする研究が企画される場合があります。その場合には、研究計画の科学性と倫理性について本学の医の倫理審査委員会で審査が行われ、承認を得た後、実施する場合があります。 この二次利用研究については、逐次当科のホームページ (https://ped.naramed-u.ac.jp/index.html)に掲載されます。 |
血友病、フォン・ヴィレブランド病など、血液の凝固に関する疾患につきましては、厚生労働省の委託事業により「血液凝固異常症全国調査」が実施されております。
この調査は、日本における血液凝固異常症の全例を対象とし、患者の皆さまの病態を把握し、治療の向上と生活の質の向上に寄与することを目的としています。
たとえば、日本における患者総数は、治療に関連する公的な予算や治療環境の整備について考えるためになくてはならない基本情報ですが、それはこの調査によって集計されています。
このように社会的に重要性が高い調査であるため、当科ではこの調査に協力し、血友病、フォン・ヴィレブランド病など、血液の凝固に関する疾患で受診された皆さまの診療情報(カルテに記載してある情報)の一部をこの調査に報告しております。
この情報提供においては、皆さまのお名前は報告しておりませんので、調査関係者が皆さまのお名前を知ることは絶対にありません。
ただし、他の患者様のデータと混同することがないように、データには生年月日およびお住まいの都道府県名を含めております。提供している診療情報の概要とそれを利用する者の範囲は以下のとおりです。
・病名、性別、治療の情報、合併症の情報 ・生年月日およびお住まいの都道府県名 (提供している診療情報の詳細をお知りになりたい場合は、担当医にお問い合わせください)提供期間:現在のところ平成37年(2025年)までは調査継続の予定です。 以上の情報は貴重なデータとして聖マリアンナ医科大学で集計され、その結果は「血液凝固異常症全国調査報告書」として毎年公表されます。 |
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当科では、これまで、血液凝固障害症(血友病A)をお持ちの患者様の原因遺伝子である第VIII因子について、患者様の同意に基づき遺伝子解析検査を行ってきました。また、さまざまな血液凝固検査を診療の一環として行ってきました。今回、新たな臨床研究を中外製薬株式会社と共同で開始しています。この研究は、抗体製剤などの新たな治療薬を含む種々の止血治療薬の効果について調査するもので、これまで当科で行ってきた研究から得た患者様の遺伝子変異の情報と血液凝固検査や試験管内での薬物実験の結果を用います。 この研究は患者様のデータを用いて行いますが、患者様個人のお名前や、個人を特定できる情報は一切公表いたしません。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。なお、本研究は奈良県立医科大学の医の倫理審査委員会で審査を受け、奈良県立医科大学学長の許可を得ております。
研究課題名 | 血液凝固第VIII因子代替活性を有する抗体と他の血友病A治療剤との共存下における血液・血漿凝固活性と血友病A遺伝子変異に関する研究 |
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研究機関の 名称 |
奈良県立医科大学小児科 (共同研究機関:中外製薬株式会社) |
研究目的・ | 最近、新たな血友病A治療薬として、血液凝固第VIII因子代替抗体製剤(ヘムライブラ,emicizumab)が開発され、日本でも承認されています。臨床治療では本抗体製剤と他の血友病A治療剤(第VIII因子製剤やバイパス止血製剤)が併用される場合があります。併用時の効果について、患者様の血液・血漿を用いて本抗体製剤と他剤との共存下における凝固活性を詳細に検討することは、実際に併用したときの効果や安全性を考察するために不可欠です。また、患者様の第VIII因子遺伝子変異によっては、自身の第VIII因子が血中に存在する場合があり、それらが抗体製剤や他剤の効果にどのような影響を及ぼすかを検討することが、治療効果を考察する上で重要です。そこで、本研究では、患者様から得た血液・血漿へ抗体製剤や他剤を試験管内で添加して、各種検査を行い、凝固活性を評価します。また、第VIII因子遺伝子変異のわかっている患者様について、抗体製剤及び他剤共存下での凝固活性と第VIII因子遺伝子変異との関連について調べます。 |
研究方法 | 該当する患者様の臨床的情報(年間出血回数、凝固因子製剤の使用歴、治療前後での症状変化など)と当科で実施した凝固検査測定結果、第VIII因子遺伝子解析結果を収集します。また、診療の一環として得た血漿検体を用いて、抗体製剤や他剤を試験管内で添加して、各種検査を行い、凝固活性を評価します。 これまでの経過などは診療録(カルテ)から抽出し、個人が特定されないように匿名化します。測定・解析データは、奈良県立医科大学にて匿名化を行い、個人情報が特定不可能な状態で中外製薬株式会社(共同研究責任者:プロダクトリサーチ部 平田道則)ならびに中外製薬株式会社の海外関係会社(ロシュ社等)へ提供する場合があります。研究結果は、研究責任者あるいは共同研究者が、しかるべき国際論文および学会発表など複数の方法を用いて、広く国民に情報を提供します。 |
対象となる 患者さん |
2005年1月1日から2019年1月31日の間に当科に受診歴のある血友病A患者様 |
研究期間 | 倫理審査委員会の承認日から2020年12月31日まで |
研究課題名 | 先天性及び後天性凝固障害症における包括的凝固機能解析に関する研究 |
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研究機関の 名称 |
奈良県立医科大学小児科 |
研究目的・ | 血液凝固障害症は、時に生命を脅かす重大な出血や血栓症を引き起こす疾患であり、症状を迅速に診断し、重症度に応じた治療を行うことが必要です。一般に、血液検査によってその出血(または血栓)傾向が診断されますが、従来より行われている検査では、必ずしも臨床症状を十分反映することができず、また、凝固因子に対する抗体(インヒビター)が存在すると、正確な測定が困難となる問題があります。当科では、これらの問題に対し、一般的な血液検査に加えて、さまざまな検査手法で患者様の血液凝固の状態を多面的に測定し、治療に役立てています。本研究では、凝固障害症をお持ちの患者様の臨床情報(年間出血回数、凝固因子製剤の使用歴、治療前後での症状変化など)と凝固検査測定結果について調査検討します。これらを検討することは、臨床症状をより正確に反映する検査測定系を確立し、さらに有効な治療を行うのに役立つと考えられます。 |
研究方法 | 該当する患者様の臨床的情報(年間出血回数、凝固因子製剤の使用歴、治療前後での症状変化など)と当科で実施した凝固検査測定結果との関連などを検討します。これまでの経過などは診療録(カルテ)から抽出し、個人が特定されないように匿名化します。研究結果は、研究責任者あるいは共同研究者が、しかるべき国際論文および学会発表など複数の方法を用いて広く国民に情報を提供します。 |
対象となる 患者さん |
2005年1月1日から2017年9月30日の間に当科に受診歴のある凝固障害症患者様 |
研究期間 | 倫理審査委員会の承認日から2021年3月31日まで |