石原 卓講師、越智聡史診療助教、
渡壁麻依医員、
秋定直宏医員
当グループでは小児悪性腫瘍(小児がん)と造血幹細胞移植(骨髄移植・臍帯血移植・末梢血幹細胞移植) の適応となる疾患を担当しています。
主には白血病ならびに神経芽腫、脳腫瘍、悪性リンパ腫、ウイルムス腫瘍、肝芽腫、横紋筋肉腫、胚細胞腫瘍などの固形腫瘍に対し抗がん剤による化学療法を施行しています。
また、通常の化 学療法では根治が望めない難治性小児悪性腫瘍と再生不良性貧血や免疫不全症および先天性代謝異常症に対し造血幹細胞移植も施行しています。現在では、奈良県下のほとんどの対象疾患症例が紹介されてきます。毎年、15-20人の新規発症例があり、病棟には常時15人前後(病棟の半分を占めています)の患児が入院しています。
造血幹細胞移植療法は1996年より取り組み、骨髄バンクならびに臍帯血バンクから移植施設として認定されています。現在(2008年12月31日)まで、自家移植40回、同種移植49回、計89回の造血幹細胞移植を施行しています。対象疾患は、造血器腫瘍35回(急性白血病30回、悪性リンパ腫3回、慢性骨髄性白血病2回)、固形腫瘍33回(神経芽腫14回、悪性リンパ腫2回、脳腫瘍10回、胚細胞腫瘍2回、肝芽腫4回、骨肉腫1回)、 先天性免疫不全症9例(ウイスコット・アルドリッチ症候群4例、重症複合型免疫不全症2例、高IgM症候群1例、慢性肉芽腫症1例、コストマン症候群1例)、 先天性代謝異常症2例(大理石病1例、ハンター病1例)、再生不良性貧血3例、先天性赤芽球癆1例です。移植成績は同種移植を施行した85%が、自家移植を施行した75%が生存中です。
当グループの方針は、症例数は決して多くはありませんが、「一例一例を大切に」を忘れずに、病気の子どもたちとご家族とともに一緒に闘っていきます。
主任は本邦における最先端小児移植センターである大阪府立母子保健総合医療センターで研鑽を積んだ石原 卓助教です。また、小児外科の金廣裕道准教授、洲尾昌伍医員、脳外科の朴永銖准教授による強力なサポートもあります。
課題名 | 奈良県立医科大学附属病院小児センターにおける学生サークル「社会医学研究会(社医研)」のボランティア活動 |
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目的 | 奈良県立医科大学の学生サークルによる小児センターでのボランティア活動を振り返りそれを発信することによって、今後長期入院されるお子さまの退院後の社会復帰をさらに促す活動につなげていき、患者様の生活の質の向上にも寄与するものと期待されます。 |
概要 | ボランティア活動における対象者をまとめるにあたり、疾患・年齢・性別・臨床経過、等を情報として利用いたします。 |
対象となる 患者様 | 2014 年5 月1日から2021年3月31日まで、当院小児センターで医学生による学習支援をはじめとするボランティア活動をうけられた患者様。 |
~臨床情報の医学研究への使用のお願い ~
【研究課題名】
小児白血病研究会(JACLS)ALL-02 プロトコールで治療を受けた小児急性リンパ性白血病(ALL)長期生存者の成長に関する後方視的検討(ALL-02-G)
【研究の対象】
JACLS ALL 小委員会委員の所属する施設 (下記「JACLS ALL 小委員会委員・オブザーバー・旧委員・データセンター所属施設」)にて2002 年~2007 年に診断され、JACLS ALL-02プロトコールで治療を行なった初発の急性リンパ性白血病患者さんが対象です。
【研究の目的・方法について】
小児急性リンパ性白血病(ALL)の治療はリスクを考慮した治療と支持療法の改善の結果、改良されており、我々が参加している小児白血病研究会(JACLS)が実施した ALL-02 治療研究の結果では4 年間再発無く生存する率、4 年全生存率は良好でした。
一方で体の成長速度や最終的な成人身長の低下は ALL 治療のよく知られた合併症であり、特に脳にあり、ホルモン分泌をつかさどる視床下部-下垂体機能の障害を引き起こす可能性のある頭部への放射線治療を伴う治療ではよく知られています。そのため、近年では頭部への予防的な放射線治療を行わない治療が一般的ですが、その成長に関するデータは限られているのが現状です。
私たちは自施設でALL-02 治療研究を実施した思春期前発症のALL 患者さんで入院治療相(入院して治療した、寛解導入~強化治療)では身長の伸びが停止するが、外来治療期間で既に伸び率が年齢相応となり、治療終了後に伸び率が上昇、身長が回復する事を示しました。
今回の研究では、上記の結果をたくさんの患者さんで確認する事、および身長のスパートが開始している思春期の患者さんも低身長が回避できるのかを検討します。今回の研究により、身長の伸び率への介入(成長を促す治療介入)が必要なのか、また適切な介入開始時期がいつなのかを検討します。本研究により小児ALL で長期生存したかたの成長について新たな知見を得ることが可能であると予想されます。
研究期間:研究機関長実施許可日から2022 年3 月31 日まで
【使用させていただく情報について】
ALL-02 プロトコール治療が終了した患者さんについて、以下の情報を集めます。
1)背景因子 性別、生年月日、登録時の身長、体重、臨床データ(末梢血白血球数、芽球数または%、好中球数、ヘモグロビン値、血小板数、骨髄有核細胞数、芽球数または%、中枢神経浸潤の有無、臓器障害の有無)
2)治療内容 ステロイド反応性、暫定リスク、確定リスク、治療終了日、死亡・再発年月日、有害事象、プロトコール変更の有無、造血細胞移植実施の有無
3)観察項目 各治療相前の身長・体重、治療終了時の身長・体重、IGF-1(インスリン様成長因子)値、治療終了I・2・3・4 および5 年時の身長・体重、成長ホルモン等内分泌治療の有無とその内容、成長ホルモン分泌負荷試験の有無と有の場合その結果、女児は初潮の年月日
いずれも既に国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター・データセンターに登録されているデータを用い、3)の一部は本研究を共同して実施する各研究機関に調査用紙を送付の上、記載を依頼します。
なお本研究は、大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。なお、本研究は奈良県立医科大学医の倫理審査委員会で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。
また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
【使用させていただく情報の保存等について】
すでにALL-02 治療研究の情報を保存している国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター・データセンターにある情報は治療研究の流れに従って保存されていますが、本研究のために新しくカルテ等より得た診療情報は論文発表後 10 年間保存します。本研究への参加拒否などにより廃棄を要する場合には、紙の資料はシュレッダーにて廃棄し、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。また保存期間終了後も同様の方法で破棄します。
【外部への情報の提供】
患者さんの情報を大分大学へ提供する際は患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えられた上で提供を受けますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、奈良県立医科大学小児科研究室のカギのかかるロッカー内にて保管・管理されています。なお、本研究で得た本院の患者さんの診療情報を、大分大学以外の本研究に参加する共同研究機関・その他の施設へ提供することはありません。
情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
奈良県立医科大学 担当 石原 卓
【研究組織】
【本院における研究組織】
所属・職名/氏名
研究責任者:奈良県立医科大学小児科 講師 石原 卓
研究分担者:
奈良県立医科大学小児科 医員 越智聡史
奈良県立医科大学小児科 医員 秋定直宏
【研究全体の実施体制】
研究代表者:大分大学医学部附属病院 末延 聡一
参加施設は末尾「JACLS ALL 小委員会委員・オブザーバー・旧委員・データセンター所属施設」をご覧下さい。
【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
【研究資金】
本研究の実施にあたり、必要な経費は大分大学での研究資金:大分大学医学部小児科学講座や大分こども急性救急疾患学部門医療・研究事業(小児科)の寄付金(公的な資金)を充てます。患者さんの費用負担はありません。
【利益相反について】
「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。
【研究の参加等について】
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または、各施設の担当医に申し出ていただき、研究責任者に連絡をいただくというような手順により対応致します。尚、研究責任者に直接ご連絡いただくことも可能です。その際には以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電話:097-586-5833
担当者:大分こども急性救急疾患学部門医療・研究事業 教授 末延 聡一
※本学の問い合わせ先:
奈良県立医科大学 小児科 講師 石原 卓
〒634-8522 奈良県橿原市四条町840番地
TEL:0744-22-3051, FAX:0744-24-9222
JACLS ALL 小委員会委員・オブザーバー・旧委員・データセンター所属施設
2021年5月10日
課題名:小児白血病研究会(JACLS)ALL-02 プロトコールで2008 年までに治療を受けた小児急性リンパ性白血病(ALL)患者における肥満と、薬剤量変更が予後や有害事象に及ぼす影響に関する後方視的検討
1.研究の対象
急性リンパ性白血病と診断され、ALL-02 プロトコールによる治療を受けられる方
2.研究期間
研究実施許可日~2024 年3 月31 日
3.研究目的
複数の抗がん剤やステロイド剤を組み合わせた治療により、小児急性リンパ性白血病(ALL)の治療は改良されています。ALL-02 治療研究では、90%以上の4 年全生存率と報告されています。欧米からのデータでは、肥満が高血圧、高血糖や感染症の増加につながったとする報告が
あるが、日本人を対象とした報告はありません。このため、ALL-02 治療を受けた患者さんにおいて肥満が高血圧、高血糖や感染症の増加につながるのか、生存率に影響するかなどを調べたいと考えています。
4.研究方法
JACLS に所属する施設から、すでにデータ化している診断時の肥満の有無、白血病の特徴や白血病に対する治療内容等を収集する。改めて患者さんを診察したり、検査をしたりすることはありません。なお、本研究は奈良県立医科大学医の倫理審査委員会で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。
5.研究に用いる試料・情報の種類
すでにデータ化している診断時の肥満の有無、白血病の特徴や白血病に対する治療内容等であり、情報はすべて匿名化され、個人が特定されることはありません。また、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。具体的には下記に挙げられる項目を収集いたしますが、いずれも既に国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター・データセンター(=JACLS のデータセンター)に集積しているデータを用い、3)の一部を本学から所定の調査用紙に記載して研究代表者施設である東北大学小児科へ送付いたします。
1) 背景因子 性別、生年月、登録時の身長、体重、臨床データ(末梢血白血球数、芽球数または%、好中球数、ヘモグロビン値、血小板数、骨髄有核細胞数、芽球数または%、中枢神経浸潤の有無、臓器障害の有無、感染症の有無)
2) 治療内容 ステロイド反応性、暫定リスク、確定リスク、治療終了日、死亡・再発年月日、有害事象、プロトコール変更の有無、造血細胞移植実施の有無
3) 観察項目:治療開始前と維持療法前の身長、体重、血圧、コレステロール値、血糖値。
6.外部への試料・情報の提供
上記5.を参照。
7.研究組織
JACLS ALL小委員会委員・オブザーバー・旧委員・データセンター所属施設
セミナー名 | 「大阪小児がんゲノム医療WEBセミナー」(2021年5月28日予定) |
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目的 | 主に阪奈和地域(大阪府・奈良県・和歌山県)における小児がんゲノム医療の実態を把握し課題を洗い出すため、医療者間のWebセミナーを開催することで各施設(大阪市立総合医療センター、奈良県立医科大学附属病院、和歌山県立医科大学附属病院)からの自験例の結果・経過などを共有し問題点を明らかにすることを目的とします。このセミナーで情報を共有することで、再発・難治の小児がん診療におけるゲノム医療の推進を図り、治療成績の向上にも寄与するものと期待されます。 |
概要 | 疾患・年齢・性別・一般診療で得られたデータ(血液検査・尿検査・画像検査など)およびがんゲノムパネル検査で得られた結果・臨床経過・転帰、等 |
対象となる 患者様 | 2020 年6 月1 日以降、当院で小児がんゲノムパネル検査(FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルがん遺伝子パネル検査)をうけられた患者様。 |
調査の 目的・意義 | 小児がん中央機関・拠点病院ネットワークによる本邦の小児がん診療レベルの向上を目指して、小児がん連携病院の質の評価を行うため、小児がん連携病院に向けた小児がん医療の質を表す指標(Quality Indicator:QI)の項目を個々の施設ごとに経年的に算定し、小児がん医療提供体制の質の評価を行います。 |
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調査の方法 | 当院で診療された小児がん患者さんを抽出し、治療開始までの期間、輸血量、中心静脈カテーテル関連血流感染率など個人情報を含まない以下の項目について、データベースに入力し、小児がん病院の中央機関である国立成育医療研究センター(責任者:松本公一)に提供します。小児がん拠点病院では、小児がん診療に適合した医療の質を表す指標(Quality Indicator:QI)に関して集計を行い、小児がん中央機関に集計データを提出します。解析されたデータは小児がん拠点病院を通じて当院へ報告されます。 なお小児がん連携施設である当院のデータは、連携する小児がん拠点病院である大阪市立総合医療センターへ提出いたします。 ●調査項目 中央病理診断提出率、化学療法関連死亡率、緩和ケアチーム介入率、院内学級への転籍率など ※ 患者さんの氏名など、本人を特定出来る一切の個人情報は調査対象ではなく、個人情報は保守されます。 ●研究期間 医の倫理審査委員会承認後から2023 年3 月31 日(3 年間) |
調査実施機関 | 奈良県立医科大学附属病院のほか、 国立成育医療研究センター 小児がん拠点病院および小児がん連携病院 研究代表機関:国立成育医療研究センター (HPにて概要を掲載 http://www.ncchd.go.jp/) 研究責任者:松本 公一(国立成育医療研究センター 小児がんセンター) 共同研究者:瀧本 哲也(国立成育医療研究センター 小児がんセンター 小児がんデータ管理科) 藤崎 弘之(地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科) |
1.研究の目的
本調査研究では小児がん拠点病院、拠点連携病院で診療が行われ、死亡した患者さんについて、実態を収集することにより、小児がん終末期の真の実態が明らかにすることが目的となります。※なお、奈良県立医科大学附属病院は小児がん拠点連携病院です。
2.研究の方法
受付番号: 2865
課題名:本邦小児急性リンパ性白血病に対するBFMプロトコールを基盤とした治療における骨壊死合併症例の検討
1.研究の対象
当院(小児白血病研究会(JACLS)参加施設)で小児急性リンパ性白血病に対して2017年12月1日以降にALL-B12による治療を受けられた患者様・ご家族の皆様
2.研究期間
2021年1月~2022年12月
3.研究目的
複数の抗がん剤やステロイド剤を組み合わせた治療に伴う副作用として、骨壊死があります。骨壊死を発症すると運動制限など、日常生活に支障をきたしてしまいます。日本人を対象とした骨壊死の頻度やリスクファクターを明らかにした報告はありません。このため、骨壊死がどのくらいの患者さんで発症しているのか、どういった患者さんに骨壊死が起こりやすいのかなどを調べたいと考えています。
4.研究方法
・対象となる患者様について
奈良県立医科大学小児科では、標題の臨床研究を実施しております。
本研究の概要は以下のとおりです。
①研究の目的 | 原発性免疫不全症候群(PID)の患者様においては、感染症の発生は生活の質や生命予後を左右するため、医学的な管理においては感染予防が最も大切になります。一方で、感染予防に用いられる薬剤には副作用もあり、特にワクチンはPIDの種類によっては重大な副作用が起こることがあります。PIDには300以上の病気が含まれており、個別の患者様に適切な対応を行うためには、医療関係者に対する知識の普及が必要です。インターネット上の公開データベース(PIDJ)や診療の手引きの発刊などの取り組みがなされ、予防接種の予診表にもPIDが疑われる場合は接種を見合わせるための質問項目があります。しかしこれらの取り組みの結果、実際に国内の医療機関ではPIDの患者様に対して、適切な感染予防が実践できているのか、調査されたことはありません。全国のPID患者様のかかりつけとなっている医療機関における、それぞれの患者様に対する感染予防の実態を明らかにすることが本研究の目的となります。 |
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②研究対象者 | 奈良県立医科大学附属病院小児科で診療された記録のある 原発性免疫不全症の全ての患者様 |
③研究期間 | 倫理審査委員会承認後~2022年12月31日まで |
④研究の方法 | 原発性免疫不全症候群患者の診療数について、各患者に対する感染予防の実態、および予防接種による副反応について全国から抽出された約2500の医療施設に書面を用いた調査が行われます。奈良県立医科大学附属病院小児科でかかりつけの患者様につき、上記の内容を記載の上、返送を行います。 調査内容は筑波大学附属病院小児科へ郵送され、同施設で集計、解析されます。 |
⑤試料・情報の項目 | PID患者様の背景、感染予防情報(予防接種ほかの実施状況)および予防接種で生じた症状の詳細 |
⑥試料・情報の第三者への提供について | 奈良県立医科大学附属病院小児科から筑波大学附属病院小児科への回答については、郵送で行われます。 |
⑦試料・情報の管理について責任を有する者 | 当院での責任者:小児科 助教 石原 卓 (※研究代表者:筑波大学医学医療系小児科 教授 高田英俊) |
⑧本研究への参加を希望されない場合 | 患者さんやご家族(保護者)が本研究への参加を希望されず、試料・情報の利用又は提供の停止を希望される場合は、下記の問い合わせ先へご連絡ください。すでに研究結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。 |
小児血液・腫瘍疾患(白血病やリンパ腫、神経芽腫や脳腫瘍など)の治療成績は、この30-40年の間に大きく改善し、多くの患者さんが病気を克服して長期に生存できるようになりました。ですが、まだ完璧な治療にはいたっていないため、現在の治療でも再発してしまうことがある点や、治癒したものの一部の患者さんでは合併症で生活の質の低下を招きうる点が重要な問題となりつつあります。
血液・腫瘍疾患は、細胞の設計図である遺伝子に異常が起こることにより発症することが知られており、腫瘍の細胞をよく調べて分類を行い、その細胞にあった治療を選択することで治療成績が向上してきました。また、小児血液・腫瘍疾患には、腫瘍細胞に後天的に生じた遺伝子異常(体細胞系列の変異)だけでなく、もともと持っている体全体の細胞の遺伝子情報の背景(生殖細胞系列の変異)の関与もあることが分かってきており、腫瘍細胞と体全体の細胞の両者の遺伝子情報を解析することで、疾患の発症や治療後の経過をより深く理解できるようになりました。
ですが、まだ小児血液・腫瘍疾患にはまだどのような遺伝子の異常が病気のきっかけになっているのか、もしくは治療後の経過(治療の効果や副作用)にどのように関係するのか、わかっていないものがたくさんあります。
そこで、国立成育医療研究センターおよび奈良県立医科大学を含む共同研究機関で「小児血液・腫瘍疾患と診断された方」を対象として、どのような体細胞系列の変異と生殖細胞系列の変異があるのかを解析し、診断や治療の経過とあわせて検討することを計画しました。この研究の成果で、小児血液・腫瘍疾患の治療の進歩につながることが期待されます。
解析には、診療を受けたときに検査のために採取された血液検査、骨髄検査の残余分や、腫瘍標本(手術などで切除されたもの)の残余分を用いますので、この研究のために、みなさまが改めて医療機関へ受診していただいたり、採血を受けていただいたりする必要はありません。検査は国立成育医療研究センターを中心とした研究機関で行われますが、解析にあたっては匿名化(個人が特定されないように個人情報について配慮すること)して行います。
この研究については、研究代表施設である成育医療研究センターの倫理審査委員会および奈良県立医科大学の医の倫理審査委員会で遂行に倫理的な問題がないことの承認を受けています。また、この研究は国立成育医療研究センターの公的研究費を用いて行われます。
この研究のためにご自分の検査の残余分や、情報を使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、本学の問い合わせ先にご連絡ください。ご連絡を頂かなかった場合、ご了承いただいたものと考え、解析とデータの処理をいたします。
この研究により、小児がん治療の進歩に貢献する成果がえられると期待されますので、ご理解をお願いいたします。
2018年11月1日
【研究事務局】
国立成育医療研究センター 小児がんセンター
医長 加藤元博
TEL: 03-3416-0181、FAX: 03-5494-7909
調査研究の 目的 | 骨肉腫は、思春期~青年期に好発する骨の悪性腫瘍です。治療の進歩により治癒率は向上してきているものの、診断時に転移がある・化学療法抵抗性・再発例など高リスク症例の予後は依然として厳しいのが現状です。予後不良症例に対する治療のひとつとして、自家造血細胞移植を併用した大量化学療法が試みられることがありますが、その効果について定まった見解はありません。本研究は、本邦において骨肉腫に対して自家造血細胞移植が行われた症例を調査・解析し、骨肉腫への移植治療の意義を検討することを目的としています。特に、層別化因子として原発部位や診断時の肺転移の有無、移植理由(再発など)を考慮し、高リスク骨肉腫に対する移植治療の意義を検証します。 |
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調査研究の 方法 | ●二次調査の対象 日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)/日本造血細胞移植学会(JSHCT)の実施する「造血細胞移植医療の全国調査」によって収集された移植登録情報のうち、1987年1月から2016年12月までの間に骨肉腫に対して自家移植を行った症例について調査を行います。 ●調査する項目 原発部位、診断時転移の有無とその部位、移植前の手術治療の有無(手術ありの場合、腫瘍壊死の程度、病理組織型も)、術前化学療法・術後化学療法の有無、移植前の治療中の原病増悪の有無、移植前の再発の有無(再発があれば、部位と時期、再発への治療も)、移植前の臨床的病期・転移巣も含めて腫瘍が外科的に完全に摘出できていたか否か、計画された移植回数、移植後の再発の有無(再発があれば、再発までの期間も)、移植後の手術治療の有無、移植後の化学療法の有無、最終転帰と最終観察日(最終転帰が死亡の場合、死因も) ●調査の方法 調査対象者の診療施設に対して二次調査を実施します。二次調査票の送付はJDCHCTが行い、移植施設は調査票を記入してJDCHCTに返送します。回収されたデータは、JDCHCTにてさらに別の匿名番号が付与された上で研究代表者に送付されます。 本研究は本学の医の倫理審査委員会で審査し承認されてから実施いたします。 研究期間は、研究承認日から2022年3月31日までとし、データ収集期間は2019年3月31日までです。患者さん(お子さま)の診療情報をこのような研究に使わせて頂くことをお願い致します。しかし、もしこの研究調査に診療情報を使われたくない場合は、どうぞ主治医にお申し出ください。いかなる不利益を受けることなく、いつでも拒否することができますのでご安心ください。 |
研究結果の 公表について | この調査研究の結果は学会、論文で発表します。その際には患者さん(お子さま)を特定できる情報は一切含まれません。 |
研究の 開示について | 患者さんご本人あるいは親権者の方からの求めに応じて、保有する個人情報のうち、ご本人に関するものについては開示致します。主治医までご連絡ください。 |
個人情報に ついて | 患者さん(お子さま)の診療情報は登録票に記載して収集、もしくは登録票に記載された情報を電子媒体に保存して収集しますが、その際には個人情報を特定できる情報を削除し、匿名化します。患者さん(お子さま)のプライバシーは厳密に保護されますことをお約束致します。 |
本研究への 参加を拒否 する場合 | この調査研究へのご協力は全くの自由です。ご協力いただかなくとも、医療上において不利益になることはありません。また、診療情報の提供の停止を希望される場合は、患者さんご本人あるいは親権者の方からの求めに応じて、ご本人に関するものについては診療情報の提供を停止致します。主治医までご連絡ください。 |
査研究参加によりにもたらされる利益及び不利益 | 本調査研究により患者さん(お子さま)が直接受けることができる利益はありませんが、小児がんの診断・治療・予防の推進などに貢献できる可能性が高いと考えます。 |
研究組織 | 日本造血細胞移植学会ワーキンググループ(固形腫瘍) 研究代表者: 半谷 まゆみ(国立成育医療研究センター 社会医学研究部) 研究計画書作成担当者・検討参加者: 松本 公一(国立成育医療研究センター) 参加予定施設: 日本造血細胞移植学会一元化データベースに登録している移植施設 奈良県立医科大学小児科もこの移植施設の一つとして参加しています。 |
研究課題名 | 「臍帯血移植後のEBウイルス再活性化・再感染の病態解明と予防法・治療法の確立」 |
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研究目的 | 臍帯血移植後の免疫抑制状態においてEBウイルス再活性化が時に重篤となることが知られています。臍帯血移植に伴うEBウイルスの再感染や再活性化などの臨床的意義を明らかにし、予防法・治療法を考える上での貴重なデータを得るため調査研究を行います。 |
研究概要 | この研究は、大阪府立母子保健総合医療センター血液・腫瘍科を主任施設とする多施設共同研究です。国内の移植関連データは匿名化されて日本造血細胞移植学会の移植登録一元管理プログラム(TRUMP)のデータベースで管理されます。これを元に本研究の該当症例を選択し、TRUMPデータから、可能な限りEBウイルス関連情報を取得します。しかし本データは一般的な項目しか登録されていません。TRUMPデータでは不明・不十分なものを研究者が簡単な一次アンケートを研究分担施設(当科)の担当医師に行います。そして詳細が必要な症例には、さらに二次調査が行われます。 |
対象となる 患者様 | 平成28年6月5日まで(主任研究機関での承認日である平成25年6月6日から3年間)に臍帯血移植を初回同種造血幹細胞移植として受けられた患者様。 |
研究課題名 | 「小児脳腫瘍(髄芽腫・胚細胞腫)の再発理由および再発後予後に関する臨床的要因を検討する後方視的調査研究」 |
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研究目的 | 小児脳腫瘍(髄芽腫・胚細胞腫)の再発後は確立された標準的な治療法があるとは言えません。患者様の病状に応じて施設によって様々な治療が行われているのが現状です。初発時治療、再発形式、再発後治療と予後について調査し、再発原因や、再発後予後の検討および治療実態が把握できれば、今後の臨床試験開発にも寄与するものと期待されます。 |
研究概要 | この研究は、大阪市立総合医療センター血液腫瘍科・埼玉医科大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科を主任施設とする多施設共同研究です。該当する患者様の、再発前後の種々の臨床的事項と予後(生存期間)との関連を検討します。これまでの経過などは診療録(カルテ)から抽出し、個人が特定されないように匿名化して調査票をデータセンター(国立成育医療研究センター内)へ送ります。そして詳細が必要な症例には、さらに二次調査が行われます。研究結果は、研究責任者あるいは共同研究者が、しかるべき英語論文および学会発表など複数の方法を用いて、広く国民に情報を提供します。 |
対象となる 患者様 |
2009年1月1日~2013年12月31日の5年間に再発と診断された、胚細胞腫、髄芽腫の患者様で、診断時15 歳未満。なお、調査対象となる再発は初回再発を対象とします。 |
当科では当院で標準的な治療法が未だ確立されていないとされる希少小児脳腫瘍(PNET、松果体芽腫、脳幹グリオーマ)の診断・治療を受けられた患者様に対して、臨床情報を収集し、治療内容について後方視的調査を行う多施設共同研究に参加しています。これは患者様のデータを用いて行いますが、患者様個人のお名前や、個人を特定できる情報は一切公表いたしません。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
研究課題名 | 「希少小児脳腫瘍(PNET、松果体芽腫、脳幹グリオーマ)の予後に関する臨床的要因を検討する後方視的調査研究」 |
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研究目的 | 希少小児脳腫瘍(PNET、松果体芽腫、脳幹グリオーマ)は確立された標準的な治療法があるとは言えません。患者様の病状に応じて施設によって様々な治療が行われているのが現状です。国内治療の実態や成績、予後予測因子などの情報が把握できれば、今後の臨床試験開発にも寄与するものと期待されます。 |
研究概要 | この研究は、大阪市立総合医療センター血液腫瘍科・埼玉医科大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科を主任施設とする多施設共同研究です。該当する患者様の初発時臨床的事項と治療内容・治療時期と、予後(生存期間)との関連を検討します。これまでの経過などは診療録(カルテ)から抽出し、個人が特定されないように匿名化して調査票をデータセンター(国立成育医療研究センター内)へ送ります。そして詳細が必要な症例には、さらに二次調査が行われます。研究結果は、研究責任者あるいは共同研究者が、しかるべき英語論文および学会発表など複数の方法を用いて、広く国民に情報を提供します。 |
対象となる 患者様 | 2009年1月1日~2013年12月31日の5年間に診断された、PNET、松果体芽腫、上衣腫、脳幹グリオーマの患者様で、診断時15歳未満の患者様。 |
お問い合わせ先:
【登録事業主体および事務局】
一般社団法人日本小児血液・がん学会事務局
〒112-0012東京都文京区大塚5-3-13 一般社団法人学会支援機構内
TEL:03-5981-6011, FAX:03-5981-6012
【本学の問い合わせ先】
担当者所属:奈良県立医科大学 小児科
担当者名:石原 卓
住所:〒634-8522 奈良県橿原市四条町840番地
電話番号:0744-22-3051
調査研究の対象 | 急性白血病などの造血器腫瘍、再生不良性貧血などの造血障害、代謝性疾患、自己免疫疾患、腎癌などの固形腫瘍、その他、造血幹細胞移植や細胞治療等を実施する疾患 |
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調査する項目 | 患者:移植/細胞治療時年齢、生年月日、性、診断日、移植/細胞治療日、移植/細胞治療回数、過去の移植/細胞治療、診断名、移植前PS,移植時病期、輸注細胞の種類、ドナー情報(性、関係)、HLA,採取細胞の処理法、前処置、輸注細胞数、GVHD予防法、生着の有無及び生着日、GVHDの有無、二次性悪性腫瘍の有無、移植/細胞治療後の再発の有無、生存状況など ドナー:造血幹細胞移植等に関する項目(ドナー種類(患者との関係)、性別、体重、採取時年齢、CMV抗体検査の有無、バンク名、ドナー番号、HLA)、採取の安全性に関する項目(採取日、採取時年齢、性別、採取幹細胞の種類、重篤有害事象、治療中・服薬中の疾患(合併症)、既往歴、採取時投与薬剤名、採取後の安全性確認など) |
調査の方法 | 全国調査では、専用のプログラム(以下、「調査プログラム」という)を用います。調査プログラムは、Web入力プログラムであり、医療機関で入力された臨床情報はセキュリティが強化された通信を介して調査プログラムのサーバーへ送信されます。Web入力の体制をとれない医療機関にあっては、インターネットから独立したコンピューターで調査プログラムをオフラインで運用する方法を用います。この場合の提出方法はCD-Rなどの記憶媒体に記憶させた上での郵送か、セキュリティが強化された通信を介したWeb送信となります。また、コンピューター入力の体制をとれない医療機関および二次調査を含む一部の調査では、紙調査票を用いることがあります。医療機関内で入力および更新されたデータは、登録番号が付与された上で暗号化され、日本造血細胞移植データセンター(以下、「データセンター」という)へ提出されます。提出されたデータはデータセンターにて集中管理されます。これらのデータにはアクセス制限がかけられ、また、徹底した施錠管理が行われます。コンピューター、記憶媒体には盗難対策を行っており、さらに情報の暗号化など万が一の場合にも情報の漏洩を防ぐ対策がなされております。なお、提出されたデータは、20年以上継続して収集・管理されている貴重なデータですので原則として廃棄は行われません。 |
(3)研究結果の公表について
調査結果は、学会や学術雑誌等で公に発表されることがあります。
二次調査など研究目的での利用を含み、研究者、学会、あるいは行政等が全国調査データを利用する場合においては、この調査における利活用申請方法に則り申請され、目的と利用範囲を踏まえ案件ごとにデータセンター内のデータ管理を担う委員会等で審議されます。承認されますと、該当の申請に必要な全国調査データが申請者へ提供されます。また、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づいた医薬品等の製造販売後調査などのために医薬品等関連事業者による全国調査データの利用が承認されますと、医療機関と医薬品等関連事業者との間で合意文書が結ばれた上で、データが利用されます。
全国調査データのうち、造血細胞移植のデータの一部がアジア・太平洋造血細胞移植グループに報告されます。また、全国調査データをもとに集計された治療件数については、アジア・太平洋造血細胞移植グループ及びこれを通じて世界造血細胞移植ネットワークに報告され、世界規模の治療件数集計にも含まれます。
また、新規細胞治療では、日欧米における相互互換性を有する調査プログラムとしてCIBMTRの調査プログラムの日本語バージョンを用いています。CIBMTRは、調査プログラムと米国内に設置されるサーバーの管理に加え、データクリーニング支援を行います。
(4)研究の開示について
調査内容について、さらに詳しい内容をお知りになりたいときには、担当医を通じて、調査登録票や調査内容をみることができますので、その旨お伝え下さい。
(5)個人情報について
この全国調査では個人情報(プライバシー)を保護するため、日本造血細胞移植学会とデータセンターでは、氏名、現住所、電話番号を取得しません。医療機関内でのみ氏名やカルテ番号情報との連結が可能となっています。医療情報は登録番号を用いて同定され、研究の結果が公表される場合にも個人のプライバシー保護に配慮されます。
(6)本研究への参加を拒否する場合
この調査研究へのご協力は全くの自由です。ご協力いただかなくとも、造血細胞移植等は同様におこなわれ、不利益になることはありません。また、調査研究への参加の同意の撤回はいつでもできます。ただし、同意の取り消しを希望された時に、すでになされている解析結果や研究発表の内容、匿名化されて対応表が破棄されている場合には対応できませんのでご了承下さい。
(7)調査研究参加によりにもたらされる利益及び不利益
調査研究に参加することにより、個人的に利益が生じたり、医療上の不利益を被ったりすることはありません。収集情報に関する情報漏洩のリスクに対しては、「(2)調査研究の方法」のとおりリスクの最小化に努めています。
(8)研究組織
主任研究者:日本造血細胞移植学会理事長 豊嶋崇徳
副主任研究者:日本造血細胞移植データセンター理事長 岡本真一郎
共同研究機関:造血細胞移植および細胞治療等実施施設・採取実施医療機関
お問い合わせ先:
一般社団法人 日本造血細胞移植データセンター
電話052-722-4410、FAX 052-722-4420
【本学の問い合わせ先】
奈良県立医科大学小児科 石原 卓
電話0744-22-3051、FAX0744-24-9222
E-mail: takakun@naramed-u.ac.jp